「1人でいいの?」

「うん。明日も朝練でしょ」

「俺は別に大丈夫だけど」

「ありがとう、大丈夫」

会話の途中で、
彼女の方が大地に気がついた。

背が高く
茶色がかったショートカットの色白な、美人なひとだった。

功の目がその視線を追って、
大地の視線とぶつかる。

「おぅ」
短く大地が挨拶した。


功は何も言わずに片手をあげるだけだ。


相変わらず愛想のない奴だな、
と大地は小さく舌打ちした。


その様子を見て、彼女は1人いたずらっぽい顔をした。


「じゃあね功、また明日」