「ごめん…」 功が静かに言った。 功の右の拳は、 佐柚の左の手のひらに収まっていた。 「大地、ちがうの…」 佐柚が小さく声を出す。 功は膝をはたきながら 立ち上がった。 「ちがうの」 大地はゆっくり起き上がり、 佐柚の身体もきちんと座らせた。 「ごめん、功…」 功は無言でうなずく。 「ごめん、有末…」 佐柚は首を振った。 もう、 自分にこの"判断"は 耐えられないのだと悟った。