宮斗高校の生徒がいっきに降りる。 大地は他の降車客が全員降りてから、最後に降りた。 人の群は改札階へ登る階段に消えた後で、ホームはもの寂しい気がした。 電車のドアが閉まる音、発信音を背に、ゆっくりと階段に足をかけた。 クラクラとめまいがする。 朝起きたときよりも状態は悪かった。 ふぅっ とため息をついてから一気に階段を駆け上がった。 いつもより息があがった。 「大地!」 驚いたような、聞き慣れた声がした。 顔を上げると、もう学生の姿はほとんどなくなった改札口に、佐柚が立っていた。