まるで、普段と変わらない様子の春樹が、そこにいた。 そこは、恵理夜の両親が生きている直前まで使っていた離れの部屋だった。 キンモクセイに囲まれた離れの部屋。 ――両親の思い出が本当に眠る部屋はここだったのだ。