執事と共にホワイトデーを。

バレンタインでの出来事を思い出してだろう。


「申し訳ございません。まさか、そこまでご心配をお掛けしているとは」


謝罪しつつも、その顔にはどこか安堵感がうかがえた。

自分を気にかける恵理夜に対しての安堵が。


「世話の焼ける執事ね」


恵理夜は、そういたずらっぽい笑みを浮かべていた。

春樹は、ただ、頭を下げるしかなかった。