鬼の名の下

それよりも、もっと大事なことがあったりするよね。




『一つだけ、尋ねてもいいだろうか?』




「・・はい」



かなり疑った目で僕の目を見ながら眼鏡の男が頷いた。




『そこに居る女は仲間、か?』



僕がこの部屋に入ってきたときから障子を一枚はさんだ向こう側に居た先ほどの女。



僕の質問に、その場に居た全員が刀に手を伸ばす。


「何故、わかった」


土方が敵視しながら僕に聞いた。


『何故って、匂う』



「・・は?」



予想していなかった返答だったらしく、随分間抜けな声を出した。