それからしばらくして、僕は店を出て再びフラフラと町の散策を始めた。



さすが京の町だけあって甘味所が多かった。



明日にでも白羅を連れてきてやろうかな・・なんて暢気に思いながら宿屋への道のりを進む。



時刻は10時前・・この時代に合わせるなら、亥の刻前と言うところか・・。



やっばいなぁ・・


中居さんにバレたら怒られるかも。


急がなきゃだな!



早足になりながら目的地の宿屋を目指す。


が、途中路地を曲がって身を隠す。



・・なんだ?



僕が今居る路地のもう一本向こう、つまり宿屋に一番近い路地・・・


そこからたくさんの気配がする。