「ちょっとどういうこと!?この屋敷中に夜歌の血の匂いで一杯なんだけど!!」



『ま、まぁあれだよ?同属の血なら我慢できるでしょ・・?』


「そうだけど、そうじゃなぁぁぁい!!!」


ひぃっ!!?


ちょ、だから何でこんなに怒ってんだこいつ!?




「傷!!傷作っちゃいけませぇぇん!!」



『大丈夫だよ。もう消えてきてるし』



「そうじゃなくて、ケガするなってことッッ!!」


『・・なんで?』


どうして、僕が怪我をすることで明がそんなに悲しそうな顔をするんだろう?



「何でってそれは・・・」


明はさっきよりもさらに悲しそうな顔をして僕の顔をじっと見る。


何だか、僕の方まで悲しくなってくる。


『ごめん、ね?』


何に対してかもわからないけど、無性に謝りたくなった。