鬼の名の下

「もっと驚かないか?」



『別に。だってどうせ何処に居ても僕は有り得ないモノだし。それはかわらないし?』




立ち上がりながらそう言えば、猫君が一瞬黙った。



『で、猫君。僕は嘉川夜歌。君は?』


「白羅(ハクラ)」


『そっか。じゃ、白羅。とりあえず僕お腹すいた』


思ったことをそのまま言えば、何故か白羅が噴出した。


「やっぱお前変わり者。普通この状況で腹減ったって・・」


今のは分かった。絶対馬鹿にされた。



『普通じゃないし』


お腹すくモンはしかたないでしょ。




「夜歌。お前金持ってる?」


『20世紀のなら』


そう言いながら鞄から財布を出す。


「オーケー。オーケー」