強い酸味が口の中に広がり、大量の唾液が分泌される。

「いいかい、唾液を吐き出すんじゃないよ」

「ふぁ、ふぁい」

 大量の唾液でまともに口を開けられないカイラムはかなりいい加減な返事をした。

 師匠も同じはずなのに、どうして普通に喋れるんだろうと不思議に思いながら次の指示を待つ。

 そして紅は、何かを覚悟したように、香炉に火を入れた。