ガラスの恋

「あーお腹いっぱい!!」

「行くかぁ♪」


お昼ご飯を
学校の近くの
ラーメン屋さんで
済ませて
駅に向かって歩き始めた。


「あ、さっきー!!」

「おう♪」


またさっきーと
もう１人誰かわからない人に
出会った。

「「ばいばーい」」

あたし達は
さっきーに
ばいばいをして
また、歩き始めた。


その時だった。

「朝宮さん!!」

「ん？」

後ろから
聞き覚えのない声に
呼び止められた。


「あたし…？」

「あの、アドレス…
教えて!!」


さっきーと
一緒に居たあの人だ。


見た感じは
そんなに
嫌な感じではない。

地味と言えば
地味なのかもしれない。


「あの、
一目惚れなんです」

「…はい？」

「初めて見た時から
可愛いなって思ってて…」

「はぁ…」


あたしは
突然の出来事に
驚きと戸惑いで
頭の中が
真っ白になった。

「まずは…友達から…」

「あ、はい…」


わけがわからないまま
アドレスを交換して
優美と綾実のもとに
走って戻る。


「代々木君何て？」

優美と綾実は
ニヤニヤしながら
あたしの肩をどつく。


「いや、何かよく
わからんけど
一目惚れですって(笑)」

「あー、茉莉ちゃん
可愛いもんね」

「茉莉ちゃん
モテモテやー!!」

「いやいや…」


一目惚れなんて
初めて言われた。
本当に一目惚れとか
あるんだね。


一目惚れ…かぁ。

「でも、代々木君は
やめた方がいいよ…」

「何で？」

「代々木君は
しつこいらしいから
気をつけた方がいい」

「ふーん…」


一目惚れですなんて
言える勇気が
あるだけでも
すごいなと思った。