ギリギリHRは
始まっておらず
遅刻にはならなかった。


「はい、茉莉遅刻~っ♪」

「まりりんちっこく~♪」


教室に入ると
古川円華と
黒木紗耶香が
あたしを茶化す。


「遅刻じゃないよぉ!!」

「おっ!!朝宮また遅刻(笑)」

「遅刻じゃ
ありませーんっ♪」


夢の事なんか
忘れ去って
いつものように
過ごす。



「…や」

「…みや」

「あさみやぁぁ!!!」

これまた
けたたましい
先生の声に
飛び起きて
とっさに叫ぶ。


「うわぁ!!3番!!」

「3…番…?」

先生の
引きつった顔。


ニヤニヤ笑いながら
あたしに注目する
教室のみんな。


「あっ、BBB」

あたしは
慌てて訂正する。


「…答えはBだな」

よかった、合ってた…
本当に焦った。


あたしは
毎日4:00に寝るという
生活をしているため
授業中は
睡眠時間だった。


特に
地理と現文と英語は
最高の睡眠時間だ。


しばらくすると
滑舌の悪い
英語の先生が唱える
英語の呪文が
あたしを眠りに誘う。


「茉莉寝過ぎ(笑)
しかも、3番って(笑)」

「あれはさすがに
焦ったわー(笑)」


今日も1日
辛い授業を終えて
帰る準備をする。


「うぇーい♪」

「やめろや拓弥!!」

「「キャハハハ(笑)」」


HRが始まっても
騒がしい
あたし達のクラス。


「うるさーい!!!!
終わるよ!!」

先生は怒りつつ
HRを終わらせる。