「茉莉~!!
おいていくよ~っ」

「結衣、
ちょっと待って!!」

「さ、行くよーっ」

あたしは急いで
教科書やノートを
抱えて
結衣達のあとを追う。


体育大会も終わり
受験に向かう時期が
やってきた。


本格的な受験に
向かう前に
あたし、朝宮茉莉には
大事な試験がある。


中間試験だ。


「3年生は
学年末がないから
この中間試験で
点数取らないと
期末試験
大変な事になるからね」

今先生が
話している通りだ。


「特に…
卒業がかかってる人!!」


クラス中に
恐怖とも言える
緊張感が一瞬だけ
漂った。


なぜなら
あたしのクラスは
学年で1位2位を
争う、バカクラスだからだ。


卒業が危うい人が
ほとんどだった。


あたしも
その中の1人だ。


中間試験まで
あと、1週間。


さすがに
勉強した方がいいかも…


と言いつつ
なかなかエンジンが
かからないあたし。


「優美~っ!!帰ろー♪」

「ちょっと待って~」

クラスで
1番仲良しの
白星優美と一緒に
家路につく。


「ばいばい、茉莉、優美」

「「ばいばーい」」

これまたクラスで
1番仲良しの井上結衣が
あたし達の隣を
自転車で通り過ぎて行った。