ねえ、思い出して。 ・・・ほら、覚えているでしょ。 あ。 「みーつっけた!」 私が流れてる。 真っ白なトンネルの中を。 ************** アイツはいなくなった ― 知らなかった ― そんなこと、何も知らなかった。 でも、そんなこと、 何の関係もなかった。 そんなこと ― 自然に流れていく時間を歩いて、 ただ、歩いて。 明るかった。何もなかった。 そして新しい春は来る ―。