そういえば―夏に一度だけ、
ジングと遊園地に
行ったことがあったな。



うん、あれは夏休みに入ってすぐのことだった。



私が中二の時仲がよかったのは、
みっちゃん。
みっちゃんとは、
萩原美月(はぎわらみづき)。

中一の時の
友達グループ的集団の中の一人で、
結構テレビの話や芸能系の話題で
盛り上がれる子だったから、
同じクラスになれて嬉しかった。

みっちゃんは大人っぽい子で、
わりと男子から人気があったみたい。
それでね、みっちゃん・私・
ジング・ケンジ君（ジングの友達）
で遊園地に行くことがあったの。

きっかけは、みっちゃんが遊園地の
無料招待券を四枚もらったっていうことでね。
誰を誘おうかっていう話を
教室でしていたら、
ジングが「オレ行きたい！」って。

四人で行った遊園地、
なかなか楽しかったんだよね。
ジングはトーク全てが面白いし、
ケンジ君も何気ないボケを
かましてくれて笑えたし。
みっちゃんがジェットコースターで
涙目になってたのも、
なかなか意外な出来事だったわ。
それに何より・・・
もの凄く感じたから。
・・・私はジングのことが
好きになったんだって。





　　こんな気持ちは

　　　　　　生まれて初めて　―
　　　
　　ずっとずぅっと

　　　　　　ジングのことを考えてる。


　寝ても覚めてもジング、ジング　―


教室にいると無意識のうちに
ジングに目がいってしまうから、
友達とのお喋りも上の空で
授業中もふと
ジングの後姿を意識してしまうの。


　・・・私は、ジングが好き　―


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


　私・・・恋ばかりしてた。

　当たり前のように。
　当たり前の日常のように。
　
　そして、同じことを繰り返して　―


　「でもきっと、
　　　　　この恋だけは・・・」


　　―　また言ってる。