次の日。
「何、これえぇえ!!?」
早朝の学舎に、二人の悲鳴が響きわたる。
机の上の紙。
『ブス!!』
『バーカ』
『クズ!!』
ありとあらゆる罵詈雑言が連ねられている。
「なんで…私たちが…」
まだ両頬の痛みは残っている。また痛み始めた。「もうやだ…」
何故先輩と仲良くしただけで。こんなめにあわなくてはいけないのか。
昼休みは例の如く、
「ちょっと来て」
と呼び出され、叩かれる。頬は日に日に赤く、腫れ上がっていった。
その日から、龍介たちには近寄らないようにしていた。
もうこれ以上エスカレートしないでほしいから…もう何度目かわからない、
「ちょっと来て」
で体育館裏に連れていかれる。
また叩かれるのか…
と思いつつ、二人とも無表情でついて行く。
そんな様子をある一筋の鋭い視線が貫いていた。「調子乗んなよー
「ブスー
聞くに堪えない罵詈雑言。そして…
「きいてんのか!!!!」
手があげられた瞬間。
バシィィィィィィッッ!!!!!!
二人を叩くときよりもずっと大きな音がして、手があがっていた女子生徒がぶっ飛ぶ。
二人の前、つまり三年生女子生徒から二人をかばうような位置取りで、
「おい… お前ら弱虫女子がここでリンチしてんの…知らないとおもってんの???」
低い、まっすぐな意思を感じさせる声。
「いッッ…いったぁい!!!!!訳わかんねぇ!!お前も痛いめにあいたいかぁ!!?」すると女子生徒は、
「どうぞ。お好きな様に。ただしこれをみてからね」
「はあっ!?何を…」
そこで声は切れた。
何故なら…