ピチャン・・・。


             ピチャン・・・。


    《何の音?》


    私は、あの哀しげな歌を聞いてから数分後、やっと意識が戻り始めた。

    
             ダケド ナマエガ オモイダセナイ

    「ここはどこ?」


    私はこの部屋をぐるりと見回した。

    窓もなく、家具もなく、ただ広いこの部屋・・・。

    そして・・・・この部屋の壁は赤黒い液体がへばりついて

    異様な模様を演出している・・・・・。