ドロップ






「歩?歩大丈夫?」




ぁ、いけねぇ、また自分の世界に浸ってたようだ。




「ゴメン、ちょっとボォーッとしちゃった(笑)」




アハハと苦笑いして席に座った。


周りには知り合いの学生はいなくて、大人がほとんどだった。





「ホントに来ると思わなかった。」




よっしーがいきなりそう言った。


何やっぱあのメールは冗談だったわけ?


そう思ってしまうと信じたアタシがバカだったなと虚しい感じがした。




アタシの気持ちに気付いたのか?

よっしーが慌てて付け加えた。





「違う違う!俺は真面目に誘ったよ?・・ただ歩がOKしてくれるとは思わなかった。」





そう言って嬉しそうな顔で笑った。



何だよコイツ・・・まるで子供みたい。


童顔なのもあるけど22歳になんて見えない。



まぁ、アタシも童顔ってよく言われるけどさ。





「で?何がわからないの?」




よっしーが不意に尋ねてきた。




そりゃ勿論・・・







  「数学!!」