「友達がわかんないところを教えてくれるから行ってくるね。」
どこも嘘はない。
大丈夫大丈夫。
「どこでやるんだ?」
父さんはテレビに目を向けたまま静かに聞いてきた。
アタシは父さんが苦手だ。
別に嫌いじゃないけど凄く怖いんだ。
何でだろう・・
他人より気を遣ってしまってる気がする。
「ち、近くのファミレスだよ・・」
何でこんなに自分ん家で息苦しい思いをしなきゃいけないんだろう。
あぁマジ泣きたくなるわ・・・
「・・そか。いってらっしゃい。」
あと少しここにいたらコーヒーの匂いが嫌いになっていたわ。
「・・いってきます。」
いつからこんなに苦痛になっていたんだろう。
そう感じることがアタシにとって1番辛い。
ちっちゃい頃は『お父さんお父さん』ってくっついて歩いてたのになぁ・・・
それが今となっちゃどうよ、微塵も欠片もないね。
塾が唯一の休まる居場所なんだ。
なのにアタシは自分でそれを壊してしまったんだ。
「歩?」

