異世界転生記




「え、あ、理事長!?」


「それにギルドマスターまで!?」


「どうしてこちらに!?」


「……………。」



ほら、みんな困っているではないか


小夜に至っては、固まってしまった



「そんな固くならないでくれ。こいつの忘れ物を届けに来ただけだからな」



「私は使い魔を紹介して欲しいので」


ラインさん、本当に何しに来たの?



「ほら、忘れ物。失くすなよ」

《ダミーのギルドカードだ。Aランクだよな》


「さんきゅ」


確かに学生がαランクのギルドカード持ってたら可笑しいよな



「あ、あのっ、り、陸とギルドマスターはどのような関係なのでございますのでしょうかっ!?」


エリン、パニくり過ぎ。凄い言葉遣いになってる



「えー、あー………。何と言うか……「保護者みたいなもんだよ」


困っていたら助け船を出してくれた


流石ギルドランクX!



「家族は遠い所に住んでるらしいけど、事情があって帰れないんだと。それでこっちにいる間の保護者っつーわけ」


凄いなぁ

嘘は言ってないが、必要な所は誤魔化して、けれど辻褄が合っている


Xランクは伊達じゃないね



「そうだったんだー。もしかして、魔法もなんか事情があるの?」


「まぁ、そんなとこ」


あるっちゃあるな



「でしたら仕方がありませんね」

おや?
この展開は…………



「今度、話せるようになったら全部話せよ!」


「約束」


おぉっ!
なんかラッキー



というか

なんか凄く嬉しいかも……