ゴメン、素直になれなくて

「…………」


私はスカートを握りしめた。


自業自得とはいえ
歩夢のひどい言葉に泣きそうになる。



泣きたくない…


こんな時に泣く女だと
思われたくない。


私は唇を噛みしめた。



そんな私を見て


「…ごめん」


歩夢はスッと立ち上がると
ポケットから小さな箱を取り出した。



「でも…否定もしてくれないんだ」


そう言いながら
私の手に箱を握らせた。


久しぶりに触れた
歩夢の手は冷たかった。


ひんやりする手に
私が歩夢の顔を見上げると


歩夢は悲しい顔をしていた。


「彩ちゃんは…俺のこと少しでも好きだった?」


「………」


押し黙る私…


声を出すと
今にも泣いてしまいそうで。


ちゃんと言いたいのに
言葉が出せない…


変わりに私は
コクコクと小さく頷いた。





好きだった?


違う…

本当は…

今も好きだよ。