ゴメン、素直になれなくて

ドキ…ン


無表情なのに
やっぱり優しい歩夢…


「い…いいよ。歩夢が風邪ひく」


「俺寒くないから」


トン…と

歩夢は壁にもたれると
そのままズルズルとしゃがみこんだ。


一方で立ち尽くす私


歩夢は私を見上げた。


目が合うと
歩夢は少し目線を反らして


「ホワイトデー…」


「え?」


「彩ちゃんに返さなきゃと思って呼んだんだ」










ホワイトデー…?


諦めてたのに

歩夢…くれる気だったの…?


「ホワイトデーは…昨日だけど」


嬉しいのに

こんな言い方しか出来ない私…



歩夢は少し歪んだ顔をした。


「は…だって当日は彩ちゃん、元カレと会うだろ?」


「…………」


「あぁ…彩ちゃんの中では
もう俺が元カレなのかな?」