ゴメン、素直になれなくて

教室から出る直前で
私の足は止まってしまった。


怖くて…


「……………」


そんな私に歩夢は歩み寄り
私の腕をつかんだ。


グイっと少し強引に教室から連れ出される。


「ここじゃなんだから…」


歩夢はそのまま私の手を引いて歩き出した。


「………っ」


いつもより強引な歩夢


私と目を合わせない…


こんな歩夢、初めてだ



私はただ歩夢について行くしか出来なくて。



授業開始のチャイムを無視して
歩夢は屋上の扉をあけた。


扉が開くと同時に
吹き込む冷たい風。


3月とはいえ
屋上はまだまだ寒い。



「…寒い?」


私の気持ちを見透かすように
歩夢は少し私を見た。


「だ…大丈夫」


「…………」



歩夢は無言で自分のブレザーを脱いでバサッと私の肩にかけた。