「お父さん…」

母親の言葉に、長老は頷いた。

「いいのじゃよ。あれは、ここにあるよりも、あの方の手にある方がよい」

長老は、赤ん坊の頭を撫で、

「この子の未来も守ってくれる。だから、我々は生きよう。この世界で」

微笑みかけると、町の方を見た。

「さあ!直すぞ!この子為にも、住むべき町を!」

そして、町へと歩き出した。