いつもより早い時間だけれど、もう寝ようと思った。
いつまでも起きていたってこんなことしか考えられないのなら、眠っていた方がいいだろう。
悪い夢を見るよりも怖いのは、残酷な現実を突きつけられることだから。
その時、扉をノックする音が響いた。
こんな時間に、と思いながらも返事をし、扉を開けようとしたところで自分の格好を思い出す。
慌ててクローゼットに駆け寄り、白いガウンを羽織ってから扉を開いた。
「ごめんなさいね。こんな時間に、こんな恰好で」
そこに立っていたのは叔母だった。
明らかにこれから就寝する服装の叔母を見て、一体何の用だろうと思った。
「少し、お話がしたくて」
疑問に駆られながらも、広すぎる空間を持てあましていたからちょうどよかったと思い直す。
穏やかな叔母と話していれば少しは心も安らぎ、落ち着いて眠れるだろう。


