長谷川家に帰り、部屋に戻ってワンピースを脱いで髪をほどく。
だらしなくベッドに寝転がると、とても長かった今日一日のことが自然に思い出された。
取り戻したい。
――なにを?
わからない。
けれど、それでも。
“置いてきたものがあるならまた取りに行けばいい。きみが取り戻したいと思ったなら、そこからもう一度はじまるんだ。いつだって間に合うよ”
叔父のその言葉を信じてみたいと思う自分がいることも、確かな事実で。
それを信じられる強さと、一歩踏み出す勇気を得るには、躊躇ってうずくまって泣く夜をあと何度繰り返せばいいのだろう。
けれど実際に取り戻す術は持っていないのだ。
あの頃の仲間に胸を張って会えるような人間になれたわけでもない。
それでも望んでしまうのは、確かに輝いていたあの頃が今ではないことをわかっているから。
『友達』という意味の名を持っていても、母の望んだ私にはなれていない。
ただただ、孤独を恥じた。


