次の日。
朝が弱いはずの綾は、珍しく早く目が覚めた。
だが、決してすがすがしい目覚めではなかった。
ベッドの上に起き上がり、綾は何気なく辺りを見回す。
いつもと変わらない朝なのに、妙な胸騒ぎがする。
『綾…ありがとう…大好き』
夢だったのか。
沙織がそんなことを言っていたような…。
「まさかっ!」
飛び起きて、沙織の部屋に向かう。
…だがやっぱり、あの言葉は夢じゃなかった。
部屋の中には、沙織はいなかった。
「…これが、彼女の出した答えなんだ」
いつの間にか、悠がそこに立っていた。
これが、沙織の答え…?
自分達を置いて、一体何処に行ったというのか。
――…まさか。
「…あいつの所へ行ったのか?」
「…そう…だと、思う」
悠にしては、歯切れの良くない答え方だった。
その態度で、沙織は本当に誰にも何も言わずに出て行ったのだと、綾は悟った。
「沙織の居場所も、分からないのか…?」
「あぁ。一樹と同じで、気配が全く感じられないんだ」
悠は珍しく気弱に言った。
綾は忌々しそうに壁を叩く。
「あともう一つ…、今朝から大変な事になってるぞ」
諒が言った。
店に出てみると、窓ガラスが割られ、椅子やテーブルや食器は全部壊されていた。
「なんだよこれ…」
綾は呆然とその光景を見る。
これだけ滅茶苦茶にされているのに、どうして気付かなかったんだろう。
「とにかくっ! 街へ行く!」
一樹の手がかりは、接触したことがある駅の周辺しかない。
「待て、綾!」
諒の制止を聞かずに、綾は店を出ようとした。
だがふと、その動きが止まる。
「…朝から、何をお急ぎ?」
「婆さん!」
店の入り口に、一人の人物が立っていた。
綾はかまわずに外へ向かおうとする。
だが、軽く動かしたその指先の力によって、店の中に押し戻されてしまった。
思わずしりもちをついて、綾は店に入って来た人物を見上げる。
いつかペンションで会った時の姿とは違い、今回は本当に背の低い老婆の姿をしている。
「何すんだよ!」
綾が怒鳴る。
朝が弱いはずの綾は、珍しく早く目が覚めた。
だが、決してすがすがしい目覚めではなかった。
ベッドの上に起き上がり、綾は何気なく辺りを見回す。
いつもと変わらない朝なのに、妙な胸騒ぎがする。
『綾…ありがとう…大好き』
夢だったのか。
沙織がそんなことを言っていたような…。
「まさかっ!」
飛び起きて、沙織の部屋に向かう。
…だがやっぱり、あの言葉は夢じゃなかった。
部屋の中には、沙織はいなかった。
「…これが、彼女の出した答えなんだ」
いつの間にか、悠がそこに立っていた。
これが、沙織の答え…?
自分達を置いて、一体何処に行ったというのか。
――…まさか。
「…あいつの所へ行ったのか?」
「…そう…だと、思う」
悠にしては、歯切れの良くない答え方だった。
その態度で、沙織は本当に誰にも何も言わずに出て行ったのだと、綾は悟った。
「沙織の居場所も、分からないのか…?」
「あぁ。一樹と同じで、気配が全く感じられないんだ」
悠は珍しく気弱に言った。
綾は忌々しそうに壁を叩く。
「あともう一つ…、今朝から大変な事になってるぞ」
諒が言った。
店に出てみると、窓ガラスが割られ、椅子やテーブルや食器は全部壊されていた。
「なんだよこれ…」
綾は呆然とその光景を見る。
これだけ滅茶苦茶にされているのに、どうして気付かなかったんだろう。
「とにかくっ! 街へ行く!」
一樹の手がかりは、接触したことがある駅の周辺しかない。
「待て、綾!」
諒の制止を聞かずに、綾は店を出ようとした。
だがふと、その動きが止まる。
「…朝から、何をお急ぎ?」
「婆さん!」
店の入り口に、一人の人物が立っていた。
綾はかまわずに外へ向かおうとする。
だが、軽く動かしたその指先の力によって、店の中に押し戻されてしまった。
思わずしりもちをついて、綾は店に入って来た人物を見上げる。
いつかペンションで会った時の姿とは違い、今回は本当に背の低い老婆の姿をしている。
「何すんだよ!」
綾が怒鳴る。
