『とにかくじゃ、この力が、人の人生を左右したり、世の中の流れに、多少なりとも影響を与えて仕舞うのは間違い無いんじゃ。

だから、たとえ愛する人にも、この事は秘密にしなければならん。

この力を悪用しようと近づいて来る輩も現れるやもしれんからのぉ!』


「そうですね。」


『それから、この力をコントロールするのは、かなり難しいんじゃ。

最初の頃は、突然頭痛を伴ったり、見たくもないのに次々と見えて、目眩を引き起こす事も度々なんじゃ。』


「私も、先月韓国に来る際、突然頭痛を起こし、目の前に見えるはずの無いものが一瞬見えたりしました。」


『近くに強い感情を持つ者が居ると、その力が勝手に発動したりするんだよ。』


「私の時は、近くに迷子の女の子がいました。」


『子供の感情って言うのは、真っ直ぐじゃから、気をつけないと意識を引き込まれて仕舞うことも有るから要注意なんじゃ。』


「どうすれば良いのですか!?」


『自分の意識と感情をコントロールしたり、時には外部の雑多な感情を、遮断出来るようにトレーニングしなければいけない。』


「どのようにトレーニングするんですか?

初めての事だから、戸惑ってます。」


『実はな、その為に韓国に来て貰ったんじゃよ!』


「じゃあ、ガールズバンドのプロデュースって言うのは?」


『それは本当じゃが、彼女等は今、ボイストレーニングやら、作曲活動をしているらしい。

彼女等の契約は、もうとっくに済んでおるわ。

彼女等のプロデュースを始めるのは、9月からじゃよ!』


「そんな~!」


『今は、仕事の事は忘れて、その力の事に集中しなさい。』


「分かりましたハラボジ。」


『明後日の七夕になる午前0時から、一気に覚醒するはずじゃ。

どんな力が目覚めるか、未だ分からんが、色んな物がビジョンとして現れるじゃろう。

一度に沢山のビジョンが頭の中に流れ込んで、狂ってしまった御先祖様もいると書き記されておる。

特に150年毎に生まれて来た、強い力を持った者が、20才になったと同時に廃人になって仕舞うことがあったそうじゃ。』


「‥‥」


『そこで、意識を集中出来るように、この家の地下に祭壇を組み、出来るだけ人と接する事を避けられる部屋を用意してある。

チャンスよ!

お前にはそこに入って貰う。』