俺達は、彼女達を連れて本郷スタジオに向かった。


本堂さんに、


「おはようございます、本堂さん。

2部屋お願いします。」


『彼女達かい!?

今度チャンスがプロデュースするレディースバンドって!』


「ハイ、そうです。

紹介します。

美racle/Ladyです。

皆、彼が君達のCDをレコーディングしてくれるミスター本堂氏だよ。」


『えぇ~町のスタジオのおじさんがレコーディングするんですか?』


「ハハハ、驚いたかい!?

本堂氏は、普段はここでスタジオのおじさんしてるけど、本業はミキサーって言うか、音響全般のプロフェッショナルなんだよ。

それも、日本でもトップクラスのね!」


『本当ですか!?

何か信じられないです。』


「だろうな!

韓国の李龍哲(イ・ヨンチョル)氏は知っているかい!?」


『ハイ、勿論知っています。

韓国ではトップクラスの音楽プロデューサーですから!』


「彼の師匠だよ!」


『ウッソー!

なんで、こんな町スタジオで働いているんですか?

ミスター李氏は、本社スタジオでいつもふんぞり返っていますよ!』


「だよな!

本堂氏は、音楽が好きだから、いつもここで若者達に指導したり、相談に乗ってあげたりしてるんだ。

でも、一旦レコーディングが始まったら、鬼に成るから君達も覚悟して置くように。」


『そうですか!?

優しそうなおじ様に見えますよ!』


「本当に鬼!

鬼なんだから!」


桧山マネージャーや安田マネージャー、それにKYUも苦笑いしていた。


『チャンス、一体彼女達何を驚いているんだい?』


「本堂さんの素晴らしさを教えていたんですよ。」


『また俺の悪口でも言ってたんだろ!?』


「ち…違い…ますよ!」


『何噛んでるんだよ!

図星だな!

こりゃXYZのレコーディングが楽しみだ!』


「ちょっと本堂さん!

レコーディングに私情は抜きですよ!」


『さぁな!

桧山君よ!

チャンスはハングル語で何を話してたんだい?』