成田空港の到着ゲートの周りは、遣って来た報道陣でごった返していた。


前宣伝のおかげで、注目度は上がったが、これじゃ出迎えもままならない。


俺達XYZは、その報道陣を掻き分けながら、次々と質問を受けた。


それに答えながら前に進んだ。


20分後、アボジ(親父)が彼女達と一緒に現れた。


と、そのとたん無数のストロボがたかれ、マイクが伸びてきた。


『今回日本でデビューする彼女達は、どんなジャンルのバンドなんですか?』


『XYZのギタリストのチャンスさんがプロデュースすると聞いていますが、新星MUSICの次期社長に成る時期が早まったのですか!?』


『彼女達とXYZで合同ライブとかも予定しているのですか!?』


『一年以内にチャートに登らなかったら、チャンスさんの今後には、どのような影響が有るんですか!?』


『彼女達のバンド名は、もう決まっているのでしょうか!?』


『彼女達、カメラに向かって何か一言下さい!』


兎に角凄い勢いだ!


駐車場まで5分の距離が30分も掛かってしまった。


アボジ(親父)は、俺達の車に乗って、彼女達は桧山マネージャーの運転する車に乗って、一路新星MUSIC日本支社へ!


若い彼女達は元気いっぱいだが、アボジ(親父)はちょっとお疲れ気味である。


社長室に全員集合して、ミーティングが始まった。


『空港の取材陣凄かったなぁ!

チャンス、前宣伝はまずまずってところだな!

支社長から聞いたよ!

熱愛報道を逆手に取ったんだってな。


でも、本当の勝負はこれからだからな!

1年以内に勝負をかけろよ!

ところで、この子達のグループ名はもう決まったのか?』


「ハイ!

真剣に考えました。

彼女達のグループ名は

ミラクルレディー

奇跡の淑女です。

表記としては、

美racle/Lady

彼女達の様な、素晴らしい才能を持った5人が同じ世代に、そして同じ国、同じ場所に、音楽を遣るために集まった奇跡、その上美貌良し、スタイル良し、性格良しときたら、これはまさにミラクルじゃないですか?」