昨日は、ソナと一緒にデートして、そのまま彼女は本郷にある俺のマンションに泊まった。


翌朝、TVを付けて驚いたぜ。


まさか、俺とソナの2ショットが……。


「オーイ、ソナ~!」


寝室に向かって大声でソナを呼ぶと、素肌にバスローブだけという、メチャクチャそそる恰好をして、ソナがやって来た。


『どうしたのオッパ?

何かあったの!?』


「これ観てみろ!」


と言って、TVを指差した。


=昨日、お台場の探検王に、ロックバンドXYZのギタリスト、チャンスさん(20)が、若い女性とお忍びでデートをしているのを、目撃されていました。

一緒にいた女性は、都内某所に住む女子高生で…………。


『何よこれ!

昨日行った探検王じゃない。

どうして、私達が映っているのよ!?』


「ずっと、つけられていたみたいだぜ!

探検王の後に行った參鶏湯のお店、グレイスでも写真録られてたよ。

一応、ソナの顔にはモザイクが入っていたけど、都内某所に住む女子高生って言ってたから、多分素性はばれているはずだよ。」


『どうしよう!?

XYZのメンバーや会社に迷惑かけてしまうかも……。』


「まっ、いっか!

どうせ、いつかはばれるし。

つけられていた事には、ちょっと驚いたけど、まぁ両方の家族公認だし、婚約してるんだもんな。」


『だけど、ファンが離れて、人気が落ちたらヤバいんでしょう!?』


「別に問題ないと思うよ。

俺のファンが、全員KYUのファンになれば良いじゃん!」


『オッパって、ずいぶん楽天的なんだね!

ホントに大丈夫!?』


「まぁ、当分は騒がれるとは思うよ。

変なデマや中傷が飛び交う様なら、俺達の婚約の事を全部喋って仕舞えば良いだけの事だよ。」


『何かメチャクチャ嬉しいんですけど。』


「ただ、ひょっとしたら記者やブンヤがソナの回りを彷徨くかもしれないな!

学校の行き帰りは、充分に気をつけないといけないな!

テジュンと相談して、誰かに送り迎えさせよう!」


『何か怖いね!

何か良い方法無いかなぁ!?

って、オッパ!

さっきから携帯電話がピカピカしてるんだけど…』


「ウォー!

着信が30件を超えてる!

皆、心配してくれてるのか、怒ってるのかのどっちかだろうな。」


『会社から!?』