演技力の方は、来週末には分かることだ。
そう言えば、一度、新星MUSICのスタッフと竹中早紀を含めてカラオケに行ったのだが、彼女の歌唱力は…、かなりの…………。
彼女に歌を歌わせてはいけない!
人前で歌えば、彼女のイメージまで壊れて仕舞うだろう。
会社に戻ってから、俺は自分専用の部屋に向かった。
一応、常務だから、専属の秘書も居るが、殆ど会社に居ないんだから必要無いんだよなぁ……。
理事会議以外は、殆ど会社経営に関しては支社長と専務と白川GMが社長のアボジ(親父)を補佐しているので、XYZの活動がメインである。
午前中がオフとか、午後からオフはあっても、まるまる1日オフと言うのは、滅多に無い。
そのまるまるオフに理事会議でも有ろうものなら、涙が出そうになるんだから。
常務室で、自分達のCDを聴きながら、竹中早紀のスケジュールをPCに入力していく。
会社のサーバーに入力しておけば、後は営業部長から担当マネージャーまでスムーズに段取りをして、新星MUSICのタレント達を管理出来るようになっている。
今日の16時から、竹中早紀は、毎日殺陣の稽古をして貰う。
その為に、池袋にある道場も手配を済ませ、俺の経営するSpot Light各店に電話を入れた。
3店舗の売り上げ状況を把握してから、問題点を聞いたり、韓国から補充しなければいけない物をリストアップさせて、韓日物産へFAXするように支持をしてから、ようやく昼飯を取れた。
~♪~♪~♪~♪~
その日は、夜からラジオのレギュラー番組なので、早めに局入りして、ハガキのチェックを済ませ、本番までの時間を、XYZのメンバー達と局の社員食堂で飯を食っていた。
「そうだ、KYU!
ハヌル(ソラの本名=俺の妹)が寂しがっていたぞ。
アボジが日本に居ない時は、オモニ(お袋)も実家に入り浸っているから、夜は独りで晩御飯食べてるんだ。
だから、夜仕事がオフの時は、顔見せに行ったら!?
一緒に飯でも食べたりしてやれよ。」
『良いんですか?』
「問題ないよ!
まぁ、アボジが日本に居るときは、何とも言えないけどね!」
『チャンス、さっきからKYUと何ハングル語で話しているんだ?』
誰かに聴かれたらマズイので、小声で