『ミヤビ(ソナの通称名)、早くおいで。

私は後ろでおとなしくしとくからね!

二人の邪魔はしないから安心して!』


「…イルダケデ…ジャマ…ダッタリシテ…!」


『お兄ちゃん、何か言った!?』


「ナ…何も言って無いよ!」


『オッパ、最近ソラちゃんに冷たすぎ!』


「そっかぁ!?」


『そうだよお兄ちゃん!

ソナと婚約してから、全然相手にしてくれないじゃん!

今日だって…』


「分かった分かった。

じゃあ、これからケントの両親がやってる洋食レストランに3人で飯でも食いに行くか!?」


『ホントに!?

ヤッター!

じゃあ、オンマ(ママ)に電話して、晩御飯要らないからって言っとかなくっちゃ!』





「着いたよ。

ケント居るかな!?」


『今日仕事はもう無いの?』


「あぁ。

だから、ソナとデートしようかなって思ってたのに…!」


『大丈夫だよオッパ!

ソラちゃんと3人で食事も、たまには良いじゃない。

ねぇソラちゃん!』


『そうだよお兄ちゃん!

アッパ(パパ)は、殆ど家に居ないし、お兄ちゃんは一人暮らししてるじゃん!

オンマ(ママ)は、アッパ(パパ)が日本にいなければ、仁寺洞(インサドン)《お袋の実家の韓国家庭料理店》で働いているから、私は殆ど独りで晩御飯食べてるんだよ~!』


「じゃあ、KYUに来て貰えば!?」


『だって、ユーオッパ(KYUの事)は、仕事が忙しいし、仕事が無いときは、いつも桧山マネージャーと一緒に居るから、なかなか会えないもん!

オフでも、ボイトレや作詩や作曲で大変だろうなぁ~なんて思ったら、電話だってかけにくいんだからね!』


「ソラも我慢してるんだな!

まぁ、とりあえず中に入ろうぜ。」




「どうも!予約して無いんだけど…、3人大丈夫ですか!?」


『あら、チャンスさん!

それにソラちゃんにミヤビちゃんも!

どうぞ、奥の個室が空いているから入って。

ケントもヒカルちゃんも居るわよ!』


「それじゃあお邪魔します。」


『ここのお店の名前って、オルタンシアって言うんだよね!

名前の通り、入り口の横に綺麗な紫陽花が、いっぱい咲いていたね!』


『帰りに、紫陽花と一緒に写メ撮ろうね!

あぁ、お腹空いた。』


「腹いっぱい食うかぁ!」