と言う事で、俺は関東TVの野崎社長に会う事にした。
毎朝9時に会社に現れ、そのまま屋上に作らせたゴルフ練習場に行き、1時間程ネットに向かってゴルフボールを打っている。
一体何をしに会社に来ているのやら…!
俺は、その時間帯を狙って関東TVに向かった。
1階受け付けにいる女性に意識を移動して、直接彼女の頭の中に
《オレの事は見なかった!》
と命じたら、俺が役員専用のエレベータ-に向かっても気が付かなかった。
一気に屋上迄上がったエレベーターを降りて、屋上へとつながっている鉄の扉をソ-ッと開けて、屋外に出た。
誰も入って来れない様に、力を使ってドアをロックした。
案の定、社長はスリクソンのドライバーでボールを次々と打っていた。
俺は、話をしに来た訳じゃなく、直接社長の頭の中に意識を移動して伝える事で堀内Pと中田Dをクビにするのだ。
充分に集中してから、
《堀内Pと中田Dはクビにしないといけない。
二人はライジングサンプロダクションと癒着して、番組にタレントを優先的に起用しすぎだ。
ヤラセを平気でやっている。
タレントに暴力やセクハラをしている。》
と社長の頭の中に訴えた。
そして、俺は静かに屋上を後にした。
こんなんで大丈夫なんだろうか!?
未だに俺は、自分の力を完全には信用しきれていない。
だって、余りにも簡単に事が運び過ぎるもんなぁ。
俺は、車に乗り込みゆっくりと発進させて、仕事に向かった。
それから夕方になり、仕事を終えた俺はソナに電話した。
「ヨボセヨ!(モシモシ!)
ソナ、学校終わったかい!?」
『オッパ~!
今から帰るところだよ。』
「そっかぁ。
後5分程したら、校門の前に着くよ。」
『迎えに来てくれたの!?
メチャクチャ嬉しい。
ちょっと待ってて!
直ぐに行くね。』
「分かった。
慌てなくても良いからね。」
校門の前に車を停めて、しばらく待っていたら、ソナがやって来た。
ソラ(オレの妹)と一緒に・・・・・
「何だよ!?
ソラも一緒かよ!」
『お兄ちゃん!
何だよって何よ!?
可愛い妹は、家まで送ってくれないの?』
「そ…、そう言う訳じゃなくて・・・今からソナとデートでもと思っていたからさぁ……わ…分かったよ。」