CHANCE 2 (後編) =Turbulence=

 



それから3日後、彼女は無事にライジング・サン プロダクションを退社して、今は新星MUSICに在籍している。


でも、これからが本当の戦いだ!


関東TVと言えば、民放最大のテレビ局だから、慎重に遣らないと、逆に新星MUSICが窮地に立たされる事になって仕舞うだろう。


でも、この業界で生きていく為には堀内Pを潰さなければ、第2・第3の竹中早紀が生まれて仕舞う。



もう一つ問題が有る。


昔から、余り良い噂を聞かないライジング・サン プロダクションだ!


先代のオーナーがストレスからくる心労で倒れてからは、息子の日出陽介(ヒノデヨウスケ)が代表取締役の席に座っている。


この2代目の若社長は、自分のところに在籍しているアイドルの玉子達を使って、未だに枕営業をしているのでは!?と言う噂が流れている。


事務所で働いているタレントマネージャーの何人かは、明らかに堅気には見えない風体だ!


裏では、かなりの悪どい事をやっていると思うんだ。


だから、ポッと出たてのタレントにいきなりレギュラーの話が舞い込んだりしている。


力の有るプロダクションだから、テレビ局も無下に断れないのだが、裏で癒着している可能性もある。


俺は、XYZの仕事が無いときは、とりあえず堀内Pから被害を受けた新星MUSICのタレントから一筆書いて貰った後、ヤラセの証拠をかき集めたりと、忙しく立ち回り、アッと言う間に一週間が過ぎていた。


霊能者の出入りしているクラブに行って、こっそりホステスとの会話を録音したり、写真を撮ったりと確実な証拠が揃った時には、堀内Pだけの問題じゃ無くなっていた。


堀内Pと、下についている中田D(ディレクター)はライジング・サンPRO.の日出社長と結託して、アイドル達を自分の私利私欲の為に食い物にしていたのだ。


問題が起きれば、日出社長のバックに付いている関東神竜会が後始末をする。


日出社長は、関東神竜会が接待する政治家に、自分のところに在籍しているアイドルを斡旋している。


要は、アイドルが売春婦に早変わりする訳だ。


言う事を効かないアイドルは、薬漬けにされてるらしいと言う噂も入ってきた。


その薬は関東神竜会から買っているらしいと言う話だ。


それらの事は、局内では知っている者が殆ど居ない。