CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






おまかせでコースメニューを3人分注文して、久しぶりにフランス料理を堪能した。



デザートに、マンゴスチンとドラゴンフルーツのミックスタルト自家製ヨーグルト添えがワゴンに乗ってやって来た。



『皆さん如何でしたか?

これは、妻の新作タルトなんだが食べてみてくれるかい!?』



「白井の叔父さん、ご無沙汰しております。

今日は、とても美味しく頂きました。

マンゴスチンとドラゴンフルーツのタルトですか!?

初めてです。

頂きます。」



『添えてある自家製のヨーグルトをかけて召し上がってみてください。

甘味と酸味が絶妙にマッチして、とても美味しいですよ。』



言われた通りヨーグルトをかけて食べると、今まで食べたことの無い味と食感のタルトに変身した。



妹達も、メチャクチャ感動しながら完食していた。



「ところで叔父さん、龍一君は帰ってきてますか?」



『今日は、大学が休みなんで、1日中店を手伝ってるよ。

何か用事かい!?』



「実は、高校受験を控えた妹の雅怡(アイ)の家庭教師をお願いしようと思っているんですが……」



『そうかいそうかい、じゃあ直接頼んでごらん!?

呼んできてあげるからね。』



「ありがとうございます。」



暫くすると、コックコートに腰エプロンの龍一君が遣ってきた。



『恒寿(ハンス)さん、いらっしゃいませ。

ご無沙汰です。

いつ日本に戻ってきたんですか?』



「今日、日本に帰ってきたんだ!

ところでさ、龍一君に頼みが有るんだけどさ……」



『さっき親父が言ってたけど、アイピョンの家庭教師だろ!?』



「あぁ、そうなんだ!」



『良いよ。

アイピョン、ヤバイ科目は!?』



『現国に古典、数学に英語、それに世界史に日本史に地理、それから物理と科学と化け学。』



「要するに、全教科だな!

任せときな!

必ず行きたい高校に受かるようにシゴいてあげるよ、ハハハ!」



『……どうぞ……よろしく……おねがいします。』



「兄の僕からも頼む!

頼りにしてるからな!」



頼られて、満更でもない顔の龍一君は、妹の雅怡(アイ)に熱い視線を向けていた。



『ところでさ兄貴、新しい彼女は出来たの!?』



「今はな、ピアノ学科のジェシカって言う子と付き合ってるんだ!」



『どうりで兄貴がピアノ曲について詳しいと思ったんだ!

写メ無いの!?』



「有るよ。

見たいか?」



『見たい見たい!』



「俺にもハンスさんの彼女の写メ見せてくださいよ!?」



『アイもみる~♪』



「ほらよ。」



始めてみる俺の金髪の彼女の写メ、妹達と龍一君は、穴が開くんじゃって程見ていた。