おまかせでコースメニューを3人分注文して、久しぶりにフランス料理を堪能した。
デザートに、マンゴスチンとドラゴンフルーツのミックスタルト自家製ヨーグルト添えがワゴンに乗ってやって来た。
『皆さん如何でしたか?
これは、妻の新作タルトなんだが食べてみてくれるかい!?』
「白井の叔父さん、ご無沙汰しております。
今日は、とても美味しく頂きました。
マンゴスチンとドラゴンフルーツのタルトですか!?
初めてです。
頂きます。」
『添えてある自家製のヨーグルトをかけて召し上がってみてください。
甘味と酸味が絶妙にマッチして、とても美味しいですよ。』
言われた通りヨーグルトをかけて食べると、今まで食べたことの無い味と食感のタルトに変身した。
妹達も、メチャクチャ感動しながら完食していた。
「ところで叔父さん、龍一君は帰ってきてますか?」
『今日は、大学が休みなんで、1日中店を手伝ってるよ。
何か用事かい!?』
「実は、高校受験を控えた妹の雅怡(アイ)の家庭教師をお願いしようと思っているんですが……」
『そうかいそうかい、じゃあ直接頼んでごらん!?
呼んできてあげるからね。』
「ありがとうございます。」
暫くすると、コックコートに腰エプロンの龍一君が遣ってきた。
『恒寿(ハンス)さん、いらっしゃいませ。
ご無沙汰です。
いつ日本に戻ってきたんですか?』
「今日、日本に帰ってきたんだ!
ところでさ、龍一君に頼みが有るんだけどさ……」
『さっき親父が言ってたけど、アイピョンの家庭教師だろ!?』
「あぁ、そうなんだ!」
『良いよ。
アイピョン、ヤバイ科目は!?』
『現国に古典、数学に英語、それに世界史に日本史に地理、それから物理と科学と化け学。』
「要するに、全教科だな!
任せときな!
必ず行きたい高校に受かるようにシゴいてあげるよ、ハハハ!」
『……どうぞ……よろしく……おねがいします。』
「兄の僕からも頼む!
頼りにしてるからな!」
頼られて、満更でもない顔の龍一君は、妹の雅怡(アイ)に熱い視線を向けていた。
『ところでさ兄貴、新しい彼女は出来たの!?』
「今はな、ピアノ学科のジェシカって言う子と付き合ってるんだ!」
『どうりで兄貴がピアノ曲について詳しいと思ったんだ!
写メ無いの!?』
「有るよ。
見たいか?」
『見たい見たい!』
「俺にもハンスさんの彼女の写メ見せてくださいよ!?」
『アイもみる~♪』
「ほらよ。」
始めてみる俺の金髪の彼女の写メ、妹達と龍一君は、穴が開くんじゃって程見ていた。



