『方法は唯1つ!
精神統一をして、自身の気をコントロール出来るように、毎日特訓するだけだよ!』
「そうですよねぇ……
アボニム(父上)は、だいたいどれくらいで出来るようになったのですか?」
『俺か!?
まぁ、その日の明け方くらいには、ある程度使いこなせるようになっていたけども、ハラボジ(お祖父さん)は1週間以上かかったそうだよ。』
「そうなんですかぁ……頑張ってみます……!」
そして向かえたその夜
それは突然遣ってきた!
『ハンス、落ち着いて!
昼間教えた通り、頭の中のスイッチをOFFにするようにすれば騒音はおさまるから!』
「……はい……遣ってみます……!
ミュート!!!」
『どうだ?』
「ギターのミュートをイメージしてみたら、騒音は止みました!」
『そうだろう!
後は、スムーズに出来るように繰り返し遣りなさい。
頭痛は?』
「酷いです!吐き気もします。」
『それも、昼間教えた呼吸法で精神統一をしてみたらおさまるから!』
「はい、遣ってみます。」
『ロウソクを見つめて遣ってみなさい。
その方がやり易いから。』
そして2時間後、耳元で聞こえてくる騒音はおさまり、いったん眠ることに!
翌朝9時、アボニム(父上)が僕の寝ている部屋に遣ってきた。
「おはようございますアボニム(父上)!」
『よく眠れたかい?』
「暫くは頭痛が続いていたのですが、いつの間にか眠っていました。」
『今、力をコントロール解放して、私のビジョンが見えるか試してごらん。』
「E弦開放!
凄い!
アボニム(父上)の右肩の上に映像が見えます!
ハラボジニム(お祖父様)と一緒に、アイドルユニット【SNOW】のレコーディングをしています。
この曲は、初めて聴く曲です!」
『それは、4日前のビジョンだな!
ハンスは、相手の右肩の上に過去のビジョンが見えることになるわけだ!
と言うことは、左肩の上には未来のビジョンが見える事になる!』
ハンスは、俺の左肩の上に意識を集中して見ている。
「アボニム(父上)、父上の未来のビジョンが見えました。」
『何が見えたんだい!?』
「イム・テジュン叔父さんとこに孫が生まれて、お祝いに行っているところでした。」
『そうか。
ついにテジュンちの娘の美嘉(ミカ)ちゃんも、お母さんになるのかぁ……!
と言うことは、テジュンはお祖父さんって呼ばれるんだ。ハハハ!』
「跡継ぎの男の子が産まれますよ。」
『あぁ、知ってるさ!
お前より父さんの方が、このパワーは上だからな!
2年前から知ってたよ。』
まだ、どんなことが出来るのかは分からないけど、僕はこの不思議な力に魅了されていった。



