CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






『何か、まだ信じてない顔をしているな!』



『だってそうじゃないですか!

そんな胡散臭い話が信じられる訳が無いじゃないですか!』

『目の前の出来事を信じないとは、お前も頑固だなぁ~♪

じゃあ、これならどうだい!?』



と言って、息子の座っている椅子ごとハンスを空中に浮かした。



『ウワッ、アボニム(父上)何ですか?

椅子が浮いてるじゃないですか!

危ないですから降ろしてくださいよ。』



「これで信じられるか?」



椅子が元の位置に戻ると、椅子から飛び降りたハンスは、椅子の回りを確認したりワイヤーでも有るんじゃないかと調べている。



『どうやったんだろう……』


「恒寿(ハンス)よ、探してもワイヤーなんぞありゃせんぞ!」



『浮きましたよ!

確かに浮きましたよ!

どうやったんですか?』



『どうやったって、これが俺の力なんだよ。

ハンスや、お前にも誕生日が来て20歳になれぱ、いろんな力が目覚めるんだよ。

今は何も信じられなくても、明後日の深夜0時ジャストから覚醒するはずだから!

ここまでの話は分かったかな!?』



『何となく胡散臭いけど分かりました。』



『それでは、大事な注意事項を話すから聞いてなさい。』



『了解しました。』



『この力の事は、私達3人しか知らないんだ!

例え妻や親兄弟にも話してはいけない!

何処から漏れるか分からないからな!

変なことに利用されないように、絶対に秘密にして、人前でむやみやたらと使わないように!

分かったかな!?』



『じゃあ、オムニム(母上)も、ハヌルペクモ(ハヌル叔母さん)も、ハルモニム(お祖母様)も知らないんですか!?』



「そう言うことじゃ!

だから、お前もそれを守って欲しいんだけど、出来るね!?」



『この話が本当なら、必ず守ります。』



『まだ信じてないのか!』



「ハンスや、お前の過去が見えるぞ!

これは、一昨日の出来事だな!

お前、ピアノ学課のジェシカん家のパーティーにお呼ばれして、ジェシカの家族の前でギターで【チェンジ ザ ワールド】を演奏したりしてるなぁ……

その後、彼女の部屋に入って…」『ワァ~~!ハラボジニム(お祖父様)、それ以上言わなくても信じます信じます!』



『何も慌てなくても、お父さんにもちゃんと見えているんだよ!

そっかぁ~♪

ジェシカと付き合ってるんだ!

ちゃんと避妊もしてるみたいだな!』



もう、真っ赤になって下を向いてしまったハンス!


先程から疑っていた割には、あからさまに恥ずかしがっていた。