1週間ぶりに、白金台の実家に家族で遣ってきた。



ここには、妹の荷娜(ハヌル)ことソラ(通称名)と、夫の朴 需(パク・ユ)ことアーティストのKYUが、娘と韓国から遣ってきたハラボジ(お祖父様)との四人で生活をしているのだ。



KYUとソラの娘は、うちの長女の寿雅(スア)と同じ小学一年生だ。



名前は朴 凛荷(パク・リナ)だ。



『お兄ちゃん、ソナ、いらっしゃい!』



「ソラさん、何度言ったら分かるのかしら!?

私は貴方のお兄様の嫁で、同じ年でも姉に当たるんですから、御姉様と呼びなさい。

腹違いでも、一応貴女はうちの主人の妹なんですから、わたくしも妹として扱っているんですからね!ビジッパシッ!」



『痛いわ御義姉様、お許しになって!

これからは気を付けますから!

ぶたないで!』



「コラコラ、また二人でいい年してサランエミロ(愛の迷路)ごっこして!」



『ヨボ!(あなた!)、いい年してってひどいわ!』



『そうよ、お兄様。

兎に角、あのドラマ面白いんだから!

けっこうドロドロした復讐劇かと思ったら、素敵なラブストーリーはあるし、アクションはあるし、若手のイケメングループも出てるし、韓国では、サラミロ現象が起きるくらい凄いんだから!』



「分かった分かった!

分かったから、アボジ(親父)達をよんでおいで。」



『は~い!』



「KYU、元気そうだな!

ワンマンライブツアー成功おめでとう。

全会場オール黒字だったよ。

しかし、最近声のキーを変えてるね。」



『はい。

若い頃に比べて1音だけですが、キーが下がっています。』


「それでも1音かぁ~、大したもんだ。

ボイトレはちゃんとやってるんだな!?」



『それはもう、岩城統轄マネージャーは厳しいですからね。』



「まさかの現場マネージャーから、たったの10年で統轄マネージャーだからな!

あいつは、仕事が出来るからな。」



『それもこれも、桧山部長の指導のお陰ですね!』



「あそこの双子の娘達、今年からもう中学生なんだって。」



『あ、ヒョン(アニキ)、降りてきましたよ。』



「アボジ(親父)、オムニ(お袋)、ハラボジ(お祖父様)、こんにちは。

はい、これ韓国サイドの決裁書。

けさ、バイク便で届いてたんですが、会長のサインがいるもんで、ついでに持って来ました。」



『分かった。後で目を通してからサインしておくよ。』



「有り難うございます。

ところで、今回はいつまで日本に居られるのですか?」



『今回は、明後日までだよ。』



「あっという間ですね。

今回の用向きは何なんですか!?」