『恒寿(ハンス)、パパ起こしてきて!

寿雅(スア)、雅怡(アイ)の着替えを手伝ってあげて!

雅怡(アイ)ちゃん、お姉ちゃんの言うことちゃんと聞いて、早く着替えなさい。』



「オンマ(ママ)、アッパ(パパ)もう起きて準備終わってたよ。」



『あらそう!

だったら、こっち来て、皆の食器をテーブルに並べて、ご飯よそっていってちょうだい。』



「は~い!」



『寿雅(スア)ちゃんと雅怡(アイ)ちゃん、遊んでないで早く準備しなさい。

出来たらこっちに座って!

お祖父様とお祖母様に会いに行くんだからね!

さっさとご飯済ませましょ。

あら、あなた、お早うございます。』



「ソナ、すっかりお母さんだな!

ところで、ハラボジ(お祖父様)から連絡あった!?」



『はい、有りましたよ。

お祖父様もお義父様もお義母様も、早く会いたいから、今朝は朝6時に目が覚めたんだって。』



「先週も実家に帰ったばかりなのになぁ~。

それにしても、まさかハラボジ(お祖父様)が占いの館を閉めて、日本で生活をするとはなぁ。

ひ孫の顔が見たいからって、相変わらず元気だし。

79才には見えないもんなぁ。

さてと、朝御飯にするか。

いただきます。

恒寿(ハンス)、小学校は楽しいか?」



『アッパ(パパ)、最近の小学生って、変な奴がイッパイ居るんだよ。』



「変な奴が!?」



『うん。

僕にさ、いきなりお嫁さんにしてくれとか言ってきたり、ベタベタくっついてきたり、まだ小学三年生なのに香水付けて学校に来てるんだから!

何考えてるのか分かんないや。

学校は、勉強するところだって知ってるはずなのになぁ……。』



「恒寿(ハンス)は好きな女の子は居ないのか!?

勿論、オンマ(ママ)やトンセン(妹)以外でな!」



『学校にはいないよアッパ(パパ)。

みんな、ガキッぽいし、趣味が合わないもん。』



「まぁ、その内、大切に思える娘が現れるから、今は恒寿(ハンス)の遣りたいことに全力で頑張りなさい。」



『分かりましたアッパ(パパ)。

寿雅(スア)、早く食べな!

雅怡(アイ)は俺が食べさせるから。』



「は~い!」



『寿雅(スア)ちゃん、もう小学一年生なんだから、好き嫌い言わないで、そのトマトも食べなさいよ。』



「げ~! トマト嫌いなんだもん。」



『オンニ(お姉ちゃん)、ダメダメでちゅね!

雅怡(アイ)は、トマト大ちゅきよ!』



「雅怡(アイ)ちゃんは、4才なのにえらいねぇ~♪

でもね、このタマネギも食べなさいね。」



『げ~!』



「お姉ちゃんの真似しないの!」



『雅怡(アイ)、タマネギきらいなんだもん。

なんか、おいちくないもん。』



「困ったもんだなぁ。」



『アッパ(パパ)、妹達は甘やかし過ぎるから好き嫌い言うんですよ。

特にアッパ(パパ)は、娘に甘過ぎです。

息子の僕にはメチャクチャ厳しいのに!

僕がグレたらどうするんですか!?』



「そうか、お父さんは恒寿(ハンス)に厳しすぎたか!?

分かった。

大事な息子に、グレられても困るから、今日からお父さんは恒寿(ハンス)にも優しくするよ。

絶対に怒らない事にしたから。

それで良いか?」



『それは寂しすぎます。

怒られない小学生が、将来どうなるか考えたら怖いです。』



「ハンスは小学生んだから、もっと子供っぽい話し方をしてほしいよなぁ。

なんか、大人と会話してるみたいだよ。」



『そうですか。

これが当たり前の話し方なんで気にしないで下さいアッパ(パパ)。』



「ソナ、俺の子育て間違ってないよなぁ!?」



終始、ニコニコ笑っているソナだった。