《乗機はまもなく済州国際空港に到着します。
着席してシートベルトを締め、そのまま暫くお待ちください。》



『オッパ、もうすぐ済州島だね!

外はヤッパリ真っ暗だね。

それにしても、いつの間にか寝ちゃってたわ!』



「ふぁ~ぁ~ぁ、アクビが止まんねぇや!

昨日、遅くまで騒いでたもんなぁ。」



その後10分程して、無事に済州島へ到着した。



荷物を受け取り到着口に出ると、そこにはよく知る顔が!



『チャンス坊ちゃんお久し振りです。

御迎えにあがりました。』



「萬秀(マンス)オジサン、お久し振りです。

ワザワザ迎えに来なくても良かったのに!」



『ハハハ!

大丈夫ですよチャンス坊ちゃん、まだまだ私も若いんですから動かないと!

そちらの方が、奥様になられましたソナ様で御座いますね。

初めまして、文 萬秀(ムン・マンス)と申します。

縁あって、今は別荘の管理人を遣っております。』



「初めまして、林 善雅(イム・ソナ)と申します。

今回は、宜しくお願いします。」



『ほ~う!

ハングル語が達者ですなぁ。

発音も素晴らしい!

表に車を待たせてますので。

チャンス坊っちゃん・ソナ様、それでは参りましょうか。』



空港パーキングかと思ったら表に車を待たせてますのでって言ったよなぁ!



大丈夫なのか!?



移動させられてたりして!



「あれ!?

あの子って、もしかして海珠(ヘジュ)ちゃん?」



『そうですチャンス坊っちゃん。

今年釜山(プサン)農業高校を卒業して、4月からこっちに住んで畑を遣ってるんですよ。』



「ご両親は何て?」



『お祖父ちゃんのところに行きたいなら、勝手にどうぞ!って言われたそうですよ。』



「オッパ、あの可愛い娘って、萬秀(マンス)さんのお孫さん?」



「そうだよ。

釜山にご両親と一緒に生活してたんだけど、高校を卒業して、こっちで畑仕事をしているんだって。」



『わぁ、素敵な方!

モデルさんみたい!

初めまして、文 海珠(ムン・ヘジュ)で~す。

チャンスオッパ、お久し振りで~す。

ご結婚されたんですねぇ。』



「ヘジュちゃん、初めまして、イム・ソナって言います。

宜しくね。」



『わぁ、ヤッパ本物だ~っ!

あの新星グループのモデル遣ってるSONAさんですよね?』



「そうだよ。」



『ヤッパカッコイイわぁ♪

こちらこそ、宜しくお願いします。』



「お祖父ちゃん、それじゃあ出発しますよ。

チャンスオッパ、ソナオンニ、どうぞお乗りください。」



と、おどけて後部ドアを開けて手招きをしている。



実は、この海珠(ヘジュ)ちゃんの本当のご両親は亡くなっているのだ。



それを知っているのは、今のご両親と萬秀(マンス)さん、後は俺と俺のアボジ(親父)だけである。



だから、ヘジュちゃんはその事を知らず、今のご両親が本当の両親だと信じているのだ。