「コヨンは巨連と書くんだけれど、長寿王の諱(いみな)なんだよ。」
『諱(いみな)!?
いみなって何なの?』
「まぁ、本名みたいなもんだよ。
ドラマになって有名なものだと、広開土王とかだと談徳(タムドク)だし、東明聖王だと朱蒙(チュモン)ってところかな!」
『そうなんだ。
コヨンかぁ!
強そうな名前だし音の響きも良いね。』
「だろう!
じゃあコヨンで決まりな!」
『コヨン!コヨン!
今日からあなたは高家(コガ)の家族だから、高 巨連(コ・コヨン)ね!
あなたのお家は、今日からここよん!』
「だじゃれ?親父ギャグ?
ソナ?大丈夫か!?」
『ここは笑ってスルーしてくれなきゃ!
オッパのイジワル。』
「ジョークジョーク!
ごめんって。
先ずはコヨンを洗ってあげなきゃだよな。」
『正月明けには、予防接種もね!』
「6種混合ワクチンの予防接種だね。
任せといて。」
『ところで、コヨンは雑種なの!?
見た感じは、ちゃんとした血統書の有りそうな顔してるんだけどなぁ。』
「多分、血統書登録する前に捨てられたみたいなんだよなぁ。
ソナ、コヨンって何犬かわかるかい?」
『えぇ~!わかんない!
このグレイの縞模様の感じは、どっかで見たことが有るんだけどなぁ~!』
「この模様は虎毛って言うんだよ。
そして、コヨンは間違いなく秋田犬だよ。」
『ホントに?
こんなちっちゃいコヨンが秋田犬?
信じられない。』
「何言ってるんだい!?
俺だって、今でこそ身長は186cm有るし、体重だって77kg有るけど、生まれた時は、2970gしか無かったんだから。
この子だって、直ぐにでかくなるんだよ。」
『そうなんだ。
じゃあコヨンを抱っこ出来るのも後もう少しの間だけなんだね。』
「まあ、そういう事になるね。
それに、秋田犬は一年中毛が抜けるから掃除も大変だよ。」
『外で飼うのは寂しいしね。』
「秋田犬は、寒さには強いけど暑さには弱いから!
真夏に外で飼おうものなら、あっという間に熱中症だよ。」
『そっかぁ!
じゃあ、どうするの?』
「そうだなぁ、リビングの外に20畳程の犬小屋を増設して、エアコンの冷気が流れ込むようにして、尚且つ、いつでもふれ合えるように簡単に往き来出来るようにして、コヨンが寂しくないようにしてあげようか。
そうすれば毛が抜けても、コヨンの部屋だけクリーナーすればすむだろう!?」
『そうだね。
コヨンの小屋の奥にコヨン専用のトイレも作らないとね!
簡単に流せるように水洗にしてよね!』
「任せときな!
水谷工務店のヒロに頼んだら、簡単に作ってくれるんだから!」
『そっかぁ!
ヒロさんのところにも大きな犬が居たわね!』
「あれは、セントバーナードだからなぁ!
半端ないでかさだよ。
奴の犬小屋なんか、6畳二間と水洗トイレも付いて、一家族が住めるくらいの広さなんだから。」
『私も初めて見たときは驚いたんだから。
犬の為に水洗トイレって!
でも、今考えたら納得よね。
そこで用を足す訳じゃ無くて、ワンちゃんの用を足した後のを流すためなんだから、手間が掛からず便利よね。』
「だろう!
あれを作ってもらうよ。」
『じゃあオッパ、お願いしますね。』
と言うことで、明日ヒロと薫が遊びに遣って来たら頼むとするか!



