ここは、ソウル特別市 鍾路区(チョンノ区) クァンチャル洞に在る【松竹梅】(ソンチュクメ)と言う韓国家庭料理店だ。
この場所は、以前ソナと来たことが有ったので迷わず直ぐに来れた。
魚介類の料理からプルコギまで、幅広いメニューと、熟練の料理人による奥深い味わいで、連日満員御礼である。
しかし値段は庶民的で、メチャクチャ高いお酒やワインさえ注文しなければ、タップリ食べても御一人様50,000ウォン(約4,000円)以内で収まってくれる。
予約されている部屋に案内され扉を開けると、KYUの家族は既に来ており談笑中であった。
「済みません、お待たせしました。」
『私どもも、先程来たばかりなんですよ。
どうぞお掛けください。』
と言って、自分達の向かい側の席を勧めた。
KYUのご両親とお姉さんの允喜(ユニ)氏だ。
こちらは、俺の両親と俺の婚約者の善雅(ソナ)、そして妹の空(ハヌル)の5人である。
ハラボジ(御祖父さん)も一緒にくる予定にしていたのだが、孫娘の結婚話を楽しみにしていたのに、昼辺りから少し体調を崩してしまい、今はアボジ(親父)のお姉さんが面倒を見ている。
病院に連れていくほどでは無かったが、熱が有るので解熱剤を飲んでゆっくり休んでるって。
「うちの娘も、今年いよいよ卒業しますので、直ぐにでも朴需氏(パク・ユ君)と入籍させてあげたいのですが、KYUとしての芸能活動も有るし、ファンに対しても配慮したい部分がありますので、先ずは交際宣言をして、ファンにも祝福してもらっての結婚と言う方向で考えているのですが、如何でしょうか!?」
『確かに、その通りだとは思いますが、それでは現在交際宣言したとして、結婚するのはいつくらいの予定でしょうか!?』
「予定としては、大体1年半後、来年の朴需氏(パク・ユ君)の誕生日の9月9日を考えています。」
『需(ユ)や、お前はどうなんだ!?』
「僕の気持ちとしては、今すぐにでも入籍して、って思ってますが、仕事との噛み合いや、ファンの事を考えたら、やはり結婚のタイミングは今じゃないと感じてました。
それはハヌルさんにも話してます。
彼女も、その事は理解してくれてます。」
『はい、私も直ぐにでも結婚したいとは思いますが、ユーオッパの仕事を理解していますので、先ずは交際を公表してからファンに理解して貰って、祝福される結婚をしたいです。』
「それでは、来年の息子の誕生日に結婚をすると言うことで、こちらは準備していきますので、そちらは息子の仕事の調整とかファンへの対応をお願いしても宜しいでしょうか!?」
『分かりました。』
「それで、やはり式は礼式場(イェシクジャン)で行いますか?」
『結婚式場で20分そこそこで終わるような式じゃ無くて、新星グループの本社の直ぐ近くにお寺が在りますので、そこで伝統的な婚礼式を行い、その後に新郎新婦が幣帛(ペベク)を行った後、披露宴を行うと言うのは如何でしょうか!?』
『なるほど!
伝統的な婚礼式ですか。
それは私も賛成ですな。』
「ユー、良いなぁ~!
私も結婚式を挙げるなら伝統婚礼式が良いなぁ。」
『ヌナ(姉貴)、その前に彼氏を見付けないと!』
「ハハハ!」
と楽しく笑いながら姉貴が俺の頭をしばいてきたよ!
『披露宴会場はどちらで?』
「それは新星グループ本社の別館を考えてますが、それで宜しいでしょうか!?」
『うちの身内とか、息子の親友なんかを会わせたら100人くらいになりますが、大丈夫ですか!?』
「まぁ、問題ないですけど、それではこれは決定事項として、会場は9月9日に押さえておきますから。」
『それでは、宜しくお願いします。
それから、料理は‥‥‥‥』
その後も、大まかな事はどんどん決めていき、当人達は置いてけぼり感満載の食事会であった。



