漢江(ハンガン)沿いを西へ下っていくと、15分程で江南区新沙洞(カンナムク・シンサドン)の辺りに遣ってきた。
ここは、高級住宅やお洒落なマンションやブティックが建ち並ぶ、富裕層の多い処である。
漢江(ハンガン)より少し南に位置する一画に、お洒落な煉瓦模様のブロックタイルを施した、高い塀に囲まれた一軒家の前でアボジ(親父)達が乗っている車が停車した。
俺も、その後ろに車を寄せて停車し車から降りた。
立派なゲートの前に新星不動産の車が停まっていたから、アボジ(親父)が予め手配していたのだろう。
「アボジ、ここがさっき言ってた家ですか?」
『そうだ。
どうだい!? なかなかお洒落な一戸建てだろ。
この入り口の門の上には防犯カメラも有るし、うちの警備会社が24時間体制で管理しているから安心だぞ。』
「それにしてもでかくないですか?」
『何言ってるんだい?
テギル君だって、これから家族も増えるし、まだお袋さんだって健在なんだから、これくらいのスペースがないと!』
門を開いて中に入ったら、目の前には60坪程の庭が有り、芝生が張ってあり隅には大きな庭石が!
庭石と庭石の間からツツジと木槿(ムクゲ)の灌木が植えてあった。
その手前には、小さな池もあり、池の周りには桔梗の花が植えてあった。
庭の奥に玄関が有り、コの字型の建物の右側が駐車場となっていた。
左側にも建物があるが何だろう?
後で聞いてみるか!
「アボジ、取り敢えず中に入りましょ!
新星不動産の人も待ってますので。」
『金(キム)主任、それじゃカギを開けてくれるかい!?』
「畏まりました高(コ)会長。」
俺達10人とテギルで、新星不動産の金(キム)主任の後を付いて中に入って行った。
『皆さん、こちらの玄関から中までバリアフリー構造となってまして、各部屋全てオンドル部屋になっています。
入って最初がこちらのリビングで、約15坪有ります。
リビングの奥にはカウンター式のキッチンで、キッチンスペースが3坪であります。
リビングからバリアフリーで外のウッドデッキに出られます。
ウッドデッキの上には、透明なポリカーボネードの屋根が有りますので、雨の日でもウッドデッキで過ごせるようになってます。
それから、全ての窓ガラスは二層構造で、尚且つポリカーボネードの加工が施されており、防寒防犯の両方の面から見ても安心を得られます。
こちらは水回りでして、トイレとバスも、勿論別々ですし、バリアフリーになっています。
1階は、4坪の客間と5坪の寝室用ルームが有ります。
2階へのアプローチは、この緩やかな階段で!
30cmと充分に取った階段1段1段の幅は、贅沢な安心感が有ると思います。
2階には、8坪の部屋が3部屋と、2階にもトイレが御座います。
後は、広いテラスが有り、こちらでバーベキューなんかも楽しめますし、水回りも御座います。
きちんと防水加工を施してますので、テラスに芝を敷き詰めて貰っても大丈夫ですので。』
「この扉は?」
『こちらは納戸になっております。
デッドスペースを有効利用して、約3.5坪程御座います。』
「オンドル部屋のスイッチはどちらですか?」
『1階に行きましょう。』
と言って、先頭に立って階段を降りていき、
「こちらの浴室横に御座います。
ボイラーで蒸気を各フロアーの下に通っているパイプに循環させていますので、この時期はとても温かく過ごせます。」
『今試しに運転させることは出来ますか?』
「申し訳ございません。
ボイラーには燃料が入っておりませんので、今すぐと言う訳にはいかないんです。」
まぁ、そうでしょうね!
『こちらの建物なんですが、築何年でしょうか?』
「2008年完成ですので、築7年になりますね。」
『彼方の建物は?』
「東屋になっております。
フリースペースとして活用されるのがベストかと思われます。
如何でしょうか!?」
『最高です。
とっても気に入りました。』



