アボジ 『ところでチャンスや、今G-1グランプリのファイナルステージ中なんだろ?
お前が居なくて大丈夫なのか?』
チャンス 「最終日までに帰りますから問題ないでしょ!
司会進行は、DJ-Cだし、裏方の段取りは河(ハ)秘書が全て段取り済みだし、TV放送の方はひまわりTVの滝本ディレクターが仕切っていますから。
それに、俺が居たら皆さん羽根を伸ばせないでしょ!?」
アボジ 『そうだな。
それにしてもひまわりTVの担当が滝本D(ディレクター)か‥‥』
チャンス 「彼女って、以前うちで学生時代にバイトしてましたよね。」
アボジ 『ああ、彼女は桧山君と結婚すると思っていたんだがなぁ…。
ワシの感がハズレるとは。
7年間付き合ってたのに、ある日突然別れちゃうから、ワシもビックリしたよ。』
チャンス 「桧山マネージャー、その時の事を聞いたら機嫌悪くなるし、余計なこと聞くなオーラ全開でだんまりですからね。
でもまぁ、そのお陰で杏奈さんとうまくいったし、滝本D(ディレクター)はイケメンアナウンサー捕まえられたし、良かったですよね!」
仁哲 『常務、桧山マネージャーと滝本Dって付き合ってたんですか!?』
チャンス 「もう昔の話だよ。」
こっちが桧山マネージャーの話で盛り上がっている頃、オムニとテギルは食べ物の話で盛り上がっていた。
オムニ 『テギルちゃん、この花餅(ファジョン)ってあなたが作ったの!?』
テギル 「はい、伯母様。
うちの雪美(ソルミ)が、趣味でエディブルフラワー(食用花)を育て始めたのがきっかけで、綺麗に咲いた花で花餅(ファジョン)を作ってあげたのが、思いの外好評だったので、お客さまに季節ごとに自家製の花餅(ファジョン)を食後のサービスとして出しているんです。
エディブルフラワーって、種類が豊富で パンジー・ビオラ・アリッサム・ノースポール・キンギョソウ・ナデシコ・カレンジュラ・ プリムラ・ポリアンサス・ジュリアン・サイネリア など ...この時期でもこれくらい種類があるんです。
春先だと、もっとイッパイ育ててますから、色とりどりの花餅(ファジョン)が食べられますよ。」
オムニ 『テギルちゃん凄いねぇ。
頑張っているし、努力を怠っていないし、困ったことが有ったらいつでも言ってきてちょうだいな!
私達に出来ることなら何だって力になるからね。』
テギル 「伯母様、もう充分お世話になってますから。
本当にお礼を言いたいのはこちらなんですから。
本当にありがとうございます。」
オムニ 『まぁ、テギルちゃんたら!
ヨボ(あなた=夫婦間で使用する呼び方)、あなたからもテギルちゃんに何か言ってあげてよ。』
アボジ 「そうだなぁ、テギル君は頑張っているし、結婚してもうすぐ家族も増えるし、2号店を出すことになったからますます忙しくなるし、どうだろう?
今住んでいる賃貸のアパートを出て、一戸建てに住んでみては!?」
テギル 『無理ですよ高会長!
今度出店する弘大(ホンデ=弘益大学の近くの学生街)は、無理して土地を購入したし、1から店舗を建築しているので貯金も残り少ないんで‥‥‥
そのお金だって2号店の運転資金ですから、引っ越しして一戸建てなんて、とうぶん先の先です。』
アボジ 「だったら、ここ蚕室洞(チャムシルドン)と、2号店の上水洞(サンスドン) の弘大(ホンデ)の中間地点にうちの新星不動産が管理している一軒家があるんだが、テギル君に安く譲ってあげるよ。
支払いは、取り敢えず2号店が軌道に乗ってから話し合うってのでどうだ?
庭付きの5LDKの2階建てで、駐車場も2台まで停められるぞ!
金額は、そうだなぁ……1億ウォンでどうかな?」
テギル 『凄いですね!
庭付き5LDK2階建てで、駐車場まであってその値段って安すぎません?』
アボジ「そりゃ通常なら5~10億ウォン以上する物件だからな!
テギル君だから特別にこの値段で譲るっていってるんだよ。
どうだろう?
今から見に行くかい?」
テギル 『行きます行きます!
もう今日は店じまいして、見に行きます。』
と言うと、皆も興味を示して、結局テギルは俺の車に同乗して、江南区新沙洞(カンナムク・シンサドン)に在る一戸建てを見にむかった。



