CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






「ヨボセヨ!(モシモシ!)」



『お電話ありがとうございます。

お客さまの胃袋を鷲掴み!

美味い!安い!早い!の金泉(キムチョン)食堂です。』



「テギル、オレオレ!チャンスだけど。」



『チャンス!

ヤ!オレガンマン。(よう、久し振り。)』



「テギル、年内いつまで営業してんの?」


『明日の27日までだよ。』



「そっかぁ。

今から10人で入れるかな?」



『オウ、ランチタイムを過ぎてるから、今は店内はガラッガラだぜ。』



「じゃあ15分後くらいにそっち着くから、宜しく頼むな!」



『任せとけって!

旨いもんイッバイ食わしてやるぜ。』



「期待してるよ!

じゃあ後で!」



俺達は、ハラボジ(祖父さん)も交えて10人で、金 大吉(キム・テギル)とお袋さんとでやっている金泉(キムチョン)食堂に遣ってきた。


ハラボジ(祖父さん)の家から車で10分程の広い道沿いにある40坪ほどの大きな食堂だ。



店の前には、20台の車が駐車出来るスペースがある。



初めてテギルと会った頃は、食堂も15坪ほどの小さなお店だったし、駐車スペースも殆ど無かった。



俺のアボジ(親父)の援助と初期投資、それにテギルの頑張りも有って、ここまで大きくなったのだ。



アボジ(親父)の話だと、大体月に5,000万ウォンの利益が上がっているそうだ。



なんと、俺のアボジ(親父)が金泉(キムチョン)食堂の再開にと貸した1億ウォン、とっくに返済したそうだ。



扉を開けて中に入っていくと、



『いらっしゃいませ!』



そこには2人のイケメン君がお出迎えしてきた。



「テギル君居る!?」



すると、奥の厨房からコックコートを着たテギル君が現れた。



『チャンス、いつ韓国に着たんだ?』



「さっき着いたばかりだよ。

アボジ(親父)も一緒だよ。」



『高(コ)社長(チャジャンニム)!オレガンマ ニムニダ。(お久しぶりです。)』



「ヤ、キム テギルシ、オレガンマニネヨ。(よう、大吉君、久し振りだね。)」



『さぁ、どうぞ皆さん、中に入ってお座りください。

こちらの御座敷に用意してますので。』



と言う訳で、俺達10人はハラボジ(祖父さん)が上座に座って、後は、アボジ(親父)とオムニ(お袋)と順々に席に付き、壁に張ってあるメニューやテーブルに置いてあるメニューを見ながら、次々に注文していった。