「ヨボセヨ!(モシモシ!)」
『お電話ありがとうございます。
お客さまの胃袋を鷲掴み!
美味い!安い!早い!の金泉(キムチョン)食堂です。』
「テギル、オレオレ!チャンスだけど。」
『チャンス!
ヤ!オレガンマン。(よう、久し振り。)』
「テギル、年内いつまで営業してんの?」
『明日の27日までだよ。』
「そっかぁ。
今から10人で入れるかな?」
『オウ、ランチタイムを過ぎてるから、今は店内はガラッガラだぜ。』
「じゃあ15分後くらいにそっち着くから、宜しく頼むな!」
『任せとけって!
旨いもんイッバイ食わしてやるぜ。』
「期待してるよ!
じゃあ後で!」
俺達は、ハラボジ(祖父さん)も交えて10人で、金 大吉(キム・テギル)とお袋さんとでやっている金泉(キムチョン)食堂に遣ってきた。
ハラボジ(祖父さん)の家から車で10分程の広い道沿いにある40坪ほどの大きな食堂だ。
店の前には、20台の車が駐車出来るスペースがある。
初めてテギルと会った頃は、食堂も15坪ほどの小さなお店だったし、駐車スペースも殆ど無かった。
俺のアボジ(親父)の援助と初期投資、それにテギルの頑張りも有って、ここまで大きくなったのだ。
アボジ(親父)の話だと、大体月に5,000万ウォンの利益が上がっているそうだ。
なんと、俺のアボジ(親父)が金泉(キムチョン)食堂の再開にと貸した1億ウォン、とっくに返済したそうだ。
扉を開けて中に入っていくと、
『いらっしゃいませ!』
そこには2人のイケメン君がお出迎えしてきた。
「テギル君居る!?」
すると、奥の厨房からコックコートを着たテギル君が現れた。
『チャンス、いつ韓国に着たんだ?』
「さっき着いたばかりだよ。
アボジ(親父)も一緒だよ。」
『高(コ)社長(チャジャンニム)!オレガンマ ニムニダ。(お久しぶりです。)』
「ヤ、キム テギルシ、オレガンマニネヨ。(よう、大吉君、久し振りだね。)」
『さぁ、どうぞ皆さん、中に入ってお座りください。
こちらの御座敷に用意してますので。』
と言う訳で、俺達10人はハラボジ(祖父さん)が上座に座って、後は、アボジ(親父)とオムニ(お袋)と順々に席に付き、壁に張ってあるメニューやテーブルに置いてあるメニューを見ながら、次々に注文していった。



