CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






俺は、新曲5曲をメインスタジオでレコーディングした。



本堂さんの妥協を知らない厳しいレコーディングは、3日目にして漸く終了した。



CDとして発売はしないで、インターネットでダウンロードすることにした。



1曲それぞれ315円でのダウンロードで、5曲まとめての一括ダウンロードなら1,260円と1曲分お得になるようにした。



10日間で、各曲だいたい60万ヒットぐらいだが、一括ダウンロードの方は120万ヒットを超えてくれた。



同時に通信カラオケの方にも登録したので、またまた嬉しい印税が期待できる。



今、俺の印税の50%は震災の被害を受けた人達へのチャリティー募金にまわしているのだ。



残り半分は、何か有ったときの為に貯蓄している。



ライブで得た俺の取り分は、全てユニセフに回しているし、新星MUSICからの給料が、俺の生活を支えているのだ。



高山観光株式会社の利益は、全て貯蓄してある。



これから先、必要となってくる改装工事やトラブル、社員旅行等いろいろな用途に使われるのだから。



だから、常に数億円有ろうとも、俺の財布の中はそんなにお金で溢れかえっているわけじゃあない。



新しい事業にも乗り出している。



と言っても、そんなに大袈裟なもんじゃない。



今、 新星MUSICにあるレーベルは、韓国サイドの
K/NS.Music Records
と、日本サイドの
J/NS. Music Records

だけである。


今回、新たに新星MUSICからレーベルを立ち上げようと計画しているのだ。



まずは、新人ばかりを集めたNS. N/M Recordsだ。



よりスムーズに新人を売り出すためのレーベルで、うちの所属になったら最初の3年間は、このレーベルの所属として活動してもらう。



もうひとつのレーベルは、NS. I/M Recordsだ。



アイドルばかりを扱うレーベルで、これから俺は10年先を見据えて、10代のアイドルばかりを育てることにした。



このどちらに所属していても、頑張らない者は出ていって貰うし、期待に応えてくれる頑張りを見せてくれたものには、個人レーベルを持たせ、印税の部分でも遣り甲斐のあるシステムを考えている。



アイドルの育成の為に新星 ミュージック スクールのアイドル部門を開校した。



連日のオーディションで、俺もアボジ(親父)もお疲れモード全開だ。



日本の主要都市で開催されたオーディションで、400人の女の子達が決まり、各地に在るスクールでトレーニングをしてもらう。



九州に7箇所、四国に4箇所と各県に1校在るが、中国地方には2箇所、近畿地方には3箇所と少し少ない。



後は、関東圏に集中しており、東北には岩手に1校在るだけではあるが、それでも滑り出しとしてはまずまずである。