CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






10月半ばに、ORJANGの2曲目が発売となった。



これも勿論アボジ(親父)の作詞作曲で、俺がアレンジを担当した。



タイトルは、【COME ON!】



ラップ調のこの曲、なかなか渋いぜ!



ラップ調って言っても、ちょっぴりメローなテンポで、勿論メロディラインも有る。



メロディラインの部分はユニゾンで歌い、ラップの部分はマイク片手に交互に前へと足を踏み出しながらのバトルっぽいステップと振り付けまである。



これはPJのアイデアで、なかなか息の合ったステップを見せてくれた。



カモン!カモン!と何度も繰り返しながら、32秒間の間奏部分に突入すれば、アドリブ連発のパフォーマンス迄見せてくれた。



11月初めに行われる新星MUSIC主催のイベントにも参加する事が決まった。



ニュースターミュージックフェスティバルと銘打って、新星MUSIC所属のミュージシャンやアーティスト達が全員集合する毎年恒例のライブイベントである。



俺も勿論参加するよ。



最高の曲を聴かすために!



その為、今は自宅の地下スタジオで作詞作曲中である。



こんな時、自宅にスタジオが有るって非常に便利である。



今までは、わざわざNSスタジオ迄行ってって時間が、今じゃ有効に利用できる上に面倒臭さがない。



しかし、NSスタジオなら、閉店の時間が来れば、必然的に切り上げて帰宅するしかないが、それが自宅のスタジオだと悪い癖で朝まで籠って仕舞うのだ。



心配したソナが何度も降りてきて、様子を伺ってくるが、もう少しもう少しって言ってる間に夜が明けてしまうのだ。



すると、ソナがスタジオの調整室のソファーに寝転がって、ブースの中の俺が出てくるまで寝ないで待ってたりするのだ。



まぁ、いつの間にか寝てしまっているけどね!



4日目の朝に、漸く納得のいく曲が5曲出来上がった。



宅録(自宅でレコーディングする事)したマイナスワン(歌詞が入ってない伴奏だけの曲)音源をDVD-Rに焼いてから、ソナを起こして、地下スタジオからリビングに上がってきた。



リビングに置いてあるノートパソコンに、そのDVD-Rを入れて再生して、ソナにも聴かせてあげた。



『ギターだけのメロディも何か良い感じね!』



「歌詞もちゃんとできてるんだよ。」



『今流れている曲って何てタイトルなの?』



「これはね、【From】ってタイトルだけど、俺から皆へのメッセージソングとして書いてみたんだ。」



『聴かせて!』



「良いよ!

じゃあ、聴いててな。

♪~♪~♪~

いつまでも~♪何処までも~♪
追い求めてる~♪真実のもの~♪
かけがえのない~♪君の心に~♪
今芽生え~始~め~て~いる~♪

高鳴るこの想い 溢れるこの気持ち
伝えたい~♪今すぐに~♪
この場所から~♪走り出そう~♪
ゴールなんか~♪見えなくても~♪

愛し合う二人なら
何も怖くないから
手を取り合って
走り出そう
あの空まで~♪

これが1番の歌詞だよ。

どうだった?」



『なんか、愛と青春の歌みたいね!』



「そうなんだ。

ちょっぴり80年代に流行った感じの歌詞を今風に仕上げてみたんだ。

どう?変かなぁ!?」



『うぅ~ん!

なんか新鮮な感じだよ。

80年代の曲調を知らない世代だもん。

この時代の人には、懐かしく思えるかもね。』



「まさにそれを狙ったんだよ。

そうすることで、色んな世代の人達が聴いてくれたら良いなぁなんて思いながらね。」



『私は直ぐに気に入ったわ!

じゃあ、次の曲を聴かせて!』