「Seijiさん、どうしたんですか?

さっき電話で話したばかりじゃないですか!」



『どうしたって、弟分のチャンスがしょげた声だして、

(行き詰まってるんですよ~!)

なんて言うから心配になって飛んできたんだよ。』



「心配して頂きありがとうございます。

何となく吹っ切れてきだしたところなんです。」



『おい、Seiji!

チャンスを甘やかし過ぎじゃないのかい!?』



「良く言いますよ!

一番甘やかしてるのは、高山社長と白川GMじゃないですか!」



『まぁ、確かにな。

ところでSeiji君、今度独立して自分の音楽事務所を設立するって噂が流れているけど、本当のところはどうなんだい!?』



「耳が早いっすねぇ白川GM。

本当ですよ。」



『良く篠田社長が手放してくれたな!』



「あのおやっさんの為に、俺達ナイトメアがしっかり稼いで楽させてあげてるから。

今回、独立して自分の事務所持つぞ!っておやっさんに言ったら、おう、そろそろ言って来る頃だと思ったって言われましたよ。

篠田音楽ファクトリーの売り上げの9割は、俺達ナイトメアの売り上げだ!って言ってたのも10年前の話で、今じゃ若手が沢山育ってくれているから、俺達が抜けても大丈夫だっておやっさんに言われましたよ。」



『それじゃあ、独立しないで、うちに移籍しないか?』



「それは止めときます。

高山社長を儲けさせて喜ばすだけじゃないですか!

俺は、ナイトメアのメンバーと新しい事を遣るために独立しようと決めたんですから。」



『そっかぁ。

そりゃ仕方ないか!

うちの社長に言って事務所オープン祝いの御祝儀を奮発してもらっとくよ。

で、いつオープンなんだい?』



「一応今年度末まで篠田で働いて、4月1日のエイプリルフールの日に事務所開設記念パーティーを遣りますから。

また招待状を送りますから、皆さんで来てくださいね!」



『どこで事務所構えるんだい!?』



「先日内装工事が完了したんですが、有楽町のスタバのビル在るでしょ?」



『あぁ、知ってるよ!

NS有楽町スタジオの向かいに在るあのビルだろ!?』



「はい、あの有楽町ビルの4階に部屋を借りました。

後は引っ越しするだけですよ。」



『あそこって家賃バカにならないだろ。』



「160坪居抜きで借りて、月85万円だから、高くはないですよ。

通常だったら、100万円越えて当たり前の場所ですから。」



『そうだな。

まぁ、もし自社ビルを建てて事務所を構えるなら言ってくれ!

うちの新星不動産が、良い物件世話するから。』



「その時は頼みます。」



『あぁ、勿論。

うちのタレント達は、本当にSeiji君には世話になってるからなぁ!』



その後、G-1グランプリの相談も兼ねて、話し合いは3時間にも及んだ。