CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






今日は、1月3日。



俺は今、仁寺洞(インサドン=お袋の実家の創作韓国料理店)に来ている。



Spot Light1号店から15号店までの店長とチーフを集めての新年会である。



留学生スタッフと在日スタッフの新年会は明日である。



今日来ている30人が、独自の営業形態を作り出し、各店舗がそれぞれのアイデアや経営方針で売り上げを伸ばしているのだ。



別に俺が指示した訳でも無いのに、店長が最初に出来た3号店までの中山、石田、小峰の3人の店長を尊敬して、負けたくないし恥ずかしくない営業をしたいと、頑張っていった結果、最終的には俺がいちいち口を挟まなくても、店長がチーフやスタッフ達と力を併せて頑張ってくれているのだ。



だから、高山観光株式会社の中で


専務取締役 小峰店長

常務取締役 石田店長

本部長 中山店長



と、昇格しているのだ。



特に中山店長は、本部長と企画開発部長を兼任するほどの遣り手である。



最初に1号店で働いていた在日スタッフの春日は、タレントになる道を捨てて、今は総料理長を遣っている。



ステージで歌や踊りを演じるよりも、厨房で調理しているほうが楽しくなり、仁寺洞(インサドン)の柳料理長に弟子入りして、本格的に料理を習ったのだ。



盆休みを利用して韓国まで行って、料理の勉強をするほどの頑張りが有ったからこそ、今の総料理長としての彼があるのだ。



各店舗のチーフも、全員20代と若いが春日総料理長に追い付け追い越せといった勢いで切磋琢磨しているので、各店とも味を落としてクレームが出ると言う不様な事は1度としてない。



そんな彼等の為に、年に2回



7月と1月にボーナスを支給している。



店長が一律150万円



チーフが一律100万円



売上合計が1番良い店の店長とチーフには、それぞれ50万円上乗せで、2番目に良い店の店長とチーフには、それぞれ30万円上乗せで、3番目に良い店の店長とチーフには、それぞれ10万円上乗せで支給している。



今日1日で支払うボーナスは、合計で3930万円である。



食事代も入れたら3950万円だ。



ほぼ4千万円が1日で消えていくが、そんなものは全店舗の5日分の売上合計によって戻ってくるのだから、年に2回上げても惜しくないくらい、皆が一丸となって頑張ってくれているのだ。



営業スタッフとは別にオフィススタッフもいるが、彼等は新星MUSICからの出向スタッフなので、こちらからは新星MUSICに対して業務提携に関する手数料を支払い、スタッフ達への給料やボーナスは新星MUSICから支払われるのだ。



小峰専務からの挨拶や石田専務の激が飛んだ後、中山本部長から新年の抱負を!



食事が終わる頃、各店舗の店長から業務報告と、問題点に対する解決法案の呈示など、いつの間にか新年会が月例会議に変更していた!



どこまでもお店の事を考えてくれているスタッフに感謝するばかりであった新年会は、3時間に及ぶミーティングが終わって漸く終了した。



うちのスタッフは皆熱い!